

王子駅を出ると、1月の透明な空気が迎えてくれる。街を一望する飛鳥山公園に、アーチ形が美しい音無橋、その下の音無親水公園。静かな名所が寄り添う駅の西側を歩くと、心の凛とする音が聞こえてきそう。
そんな王子の裏路地で、人々が列を作る小さなお店を発見。のぞいてみると、ふっくらとおいしそうな厚焼玉子が並んでいた。実はここ、江戸時代創業の料亭の味を受け継ぐ玉子焼き屋・王子扇屋。落語「王子の狐」にも登場する有名店だ。「王子は古い街なので、歴史的な名所が多く残っています」と話すのは、店頭で迎えてくれた14代目店主の早船さん。中でも有名なのが王子稲荷神社。大晦日の夜、関東一円の稲荷神社から狐たちが集まるという伝承が残る王子は、狐の神様に愛された街なのだ。「最近は、若い人の中にも歴史の跡を訪ね歩く人が増えました」。昔の資料や地図を片手にぶらぶら、なんて散策も楽しそう。早船さんから受け取った厚焼玉子の包みはほかほかで、優しい匂いがのぼってきた。
静かな西の散歩を楽しんだら、活気あふれる東へ。オフィスに商店街、幼稚園もあるここは、王子の生活の場といったところ。路地を気ままに進めば、人々の素顔が見えてくる。そんな地元住民に愛されるパン屋さんが、ベーカリー明治堂。この地に看板を出して100年以上、親子代々で通うお客さんも多いそう。「昔ながらの景色が残る王子ですが、新しいお店もたくさんできています。見落としがちなビルの2階にあったりするので、普段よりも目線を上げて歩いてみると新しい発見がありますよ」(ベーカリー明治堂・鈴木さん)
ぽつぽつと明かりがともり始めた夕方の王子。ふと見上げてみると、空のすみに気の早い月が見えた。

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北区岸町1-1-7 新扇屋ビル1F 03-3907-2567 12:00〜19:00 不定休 南北線王子駅3番出口から徒歩2分 1648年に創業した、王子を代表する名料亭だった扇屋。現在、料亭の営業は行っていないものの、名物の厚焼玉子や、落語「王子の狐」の中にも登場する釜焼玉子(3990円※予約制)の販売を続けている。地元の人々だけでなく、遠方から訪ねてくるお客さんも多く、できたての玉子焼きを求めて行列ができることも |
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北区王子1-10-9 03-3913-8310 11:00〜24:00 不定休 南北線王子駅3番出口から徒歩1分 シックな色合いの内装に、低く流れるジャズ…。そんな“大人時間”を楽しむことができるダイニングカフェ。広々として居心地のいい空間は、ランチはもちろん、カフェやバーとしても利用することができる。パスタなどの総菜はテイクアウトもあり。定期的にジャズライブも開催しているので、ぜひチェックしたい |
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北区王子1-13-18 B1,2 03-3927-5482 公演内容により異なる ※電話受付は10:00〜20:00 不定休 南北線王子駅5番出口から徒歩1分 http://www.h7.dion.ne.jp/~babylon/ 「実は劇場が多い街なんです」(制作部・坂本さん)というほど、演劇が盛んな王子の駅前にある一風変わった小劇場。自慢のステージは地下1階と2階の間をくりぬいた吹き抜け型。正面に加えて横や上からも見られるので、シンプルな会話劇やダンスが映えるそう。客席と演者の距離が近い、小劇場ならではのライブ感を楽しんで |
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北区王子1-14-8 03-3919-1917(カフェは03-3913-4662) 6:30〜20:30(カフェは9:00〜18:30※木は〜19:30) 南北線王子駅4番出口から徒歩3分 まだパン屋が珍しかった1889年に創業した老舗。古さを感じない清潔な店内に並ぶパンはなんと約120種類! 目移りしそうなほど豊富なオリジナル商品は、今現在も増え続けているのだそう。2階のカフェでは、1階で購入した商品をいただくこともできる。パンのいい匂いに包まれた癒やし空間でのんびりと過ごしたい |
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※情報は、2012年1月のものです