

![]() ぎんいろ・なつお 1960年、宮崎県生まれ。作詞家として活動した後、詩やエッセイへと活躍の場を広げる。1991 年から続くエッセイ『つれづれノート』シリーズは現在17冊を上梓。写真やイラストと合わせて綴られる独創的な世界観で、多くの女性を魅了している。本作が初の長編物語となる ブログby銀色夏生http://www.ginironatsuo.com/
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繊細な心の機微を美しい詩に紡いできた詩人、銀色夏生さん。写真やエッセイなど幅広い分野で活躍する彼女が、新作『カイルの森』で初の長編執筆に挑んだ。 「あるとき物語の冒頭がふっと降りてきて、これは続きが書けそう、と思ったのがきっかけ。でも、長編を書くことに慣れていなかったから、集中力を持続させるのが難しかったですね。制作中は息を止めたまま走ってるみたいな感じで苦しかった。詩は瞬間的にパッと生まれるものだから、使う脳みそも違いますし…」 「子供から大人まで、誰にでも読める物語にしたかった」という本作は、少年・カイルが人々の悪意から生まれた魔物≠ノ立ち向かう冒険ファンタジー。個性豊かなキャラクターに情感豊かな描写、そして端々に挿入された詩など、彼女の魅力を凝縮させた集大成ともいえる一作ではないだろうか。 「集大成というよりは、新たなスタートですね。今までは自分にこんな作品が書けると思わなかったし。こうして取材を受けていることも含めて、私のイメージが変わるんじゃないかな」 そう。今まで銀色さんは、メディアにほとんど姿を現さない人だった。 「詩は自分からこぼれ落ちた気持ちのようなものだから、偶然手に取ってくれた人が読んでくれればいいと思っていたんです。でも『カイルの森』は伝えたいメッセージをたくさん込めたから、初めて多くの人に届けたいという気持ちになった。特に変わるきっかけがあったわけではありません。でも、以前と比べるとモノ≠ノ興味がなくなったし、価値観や志向性はガラリと変わった。自分のことよりも人を助けたり、教えたりしたいと思うし、それができる自分になった気がします」 そんな彼女が生きていく上で大切だと感じていることが、カイルの言葉や行動を通して作中に綴られる。それはまさしく銀色夏生的哲学書=B 「そういう感じもありますよね。私が普段考えていること、心の雫みたいなことを全部書こうと思ったので。絶対的な悪は存在しないし、闘いで問題は解決しない。そういったこれから先もずっと伝え続けるであろうメッセージを、すごくストレートに表現しました。若いときは自分に自信がなかったり、自己否定しがちだけど、そんなときにこの作品が救いになるといいな」 「作品を読んだ人にどんな反応が起こるか、とても楽しみ」と話す銀色さん。その力強い眼差しが、勇敢に突き進むカイルと重なって見えた。 |
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※情報は、2010年6月のものです
