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May 2010 vol.89 5
今月の好奇心 cinema
徳永えり
profile

とくなが・えり

1988年生まれ。雑誌『ピチレモン』の専属モデルを経て、04年TVドラマ『ディヴィジョン1「放課後。」』で女優デビュー。06年、映画『フラガール』で演じたヒロインの親友・早苗役が絶賛を受ける。以降、映画『うた魂♪』(08年)、ドラマ『ブラッディ・マンデイ』(08年〜)シリーズ、舞台『ワルシャワの鼻』(09年)など、幅広く活躍中

ヒロインの親友役をみずみずしく演じた映画『フラガール』、悪役として強い印象を残したドラマ『ブラッディ・マンデイ』。徳永えりは、主人公の傍らに立ちながら、観客の心を見事に奪う女優だ。

仲代達矢、大滝秀治ら錚々たる大御所俳優陣と共演した本作『春との旅』での春役は、そんな彼女だからこそ演じきれた大役といえるだろう。「脚本をいただいて、すごい話だと感じました。しかも、主演が仲代さん。もう、『よろしくお願いします!』としか言えず(笑)。とにかくプレッシャーしかありませんでしたが、そのなかで私に何ができるかというと、春≠ニして居続けることだと。それだけを考えて演じました」

人生最期の身の置き場所を探す祖父に付き添う孫娘、春。優しく不器用ゆえに、ワガママな祖父に振り回され、ガニマタ走りで祖父を追いかける姿が印象的だ。春を演じるにあたって、彼女は「最初にすべて監督の指示通りにしよう≠ニ決めて臨んだ」という。

「監督の中にはすでに明確に春のイメージができあがっていたので、私が何かを提案することは、それを邪魔してしまうなと思ったんです。自分を消して、すべて受け入れて、私の色を出さないようにする。そういう役作りの仕方は初めてでしたし、演技に対して、ここまで神経質になったのも初めてでしたね」

自分の中から発するのではなく、別の人格をまるごと背負うような形での演技。「撮影中は孤独で、正直つらかった」と明かす。だが、その苦労も完成作品を目にした時にすべて報われた。

「見た瞬間に、本当にそこに春ちゃんがいてくれた。しんどい思いをしたけれども監督を信じて良かったと、その時にやっと思いました。ただ役を背負いすぎていたので、撮影後は、リハビリが必要でしたね。『すみません、しばらく実家に帰ります』って(笑)」

本作のテーマのひとつである老い≠ヘ、私たち女性にとっても切実。弱冠21歳の徳永さんにはどう映ったのだろう。尋ねると、まっすぐな瞳で語る彼女からは、予想外の答えが返ってきた。

「私は、早く年を取りたいって、すごく思うんです。仕事柄、早く年を取って厚みがほしいなと思いますし、今、30代、40代、さらにもっと上の方がとても元気じゃないですか。特に女性が。私の人生も、ここから先どんなことが待ってるんだろうって、なんだかすごく楽しみなんです」

関連コンテンツ

2010年5月22日(土)より全国ロードショーする『春との旅』の特別試写会が開催されました。

※情報は、2010年5月のものです

試写会レポート
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