
人知れず悩む尿漏れ
生活に支障が出たら治療を
尿漏れと聞くと、お年寄り特有のイメージがあります。しかし、女性は男性に比べて尿道が短く尿が漏れやすいので、若い女性でも注意が必要です。
尿漏れは、子宮や膀胱を下から支えている、骨盤底という部分の筋肉やじん帯が、出産をきっかけにゆるむことで起こります。このような骨盤底障害による尿漏れは、通常は出産後1年ほどたてば改善しますが、50代になると再発しやすくなります。
出産の経験のない女性でも、生まれつき骨盤底の筋肉やじん帯が弱いと、尿漏れに悩むことがあります。特に近年は尿漏れの症状を訴える女性が増加傾向にあります。それは、従来のような床に座る生活だと骨盤底の筋肉が自然に鍛えられるのですが、椅子に座る生活が主流になり、筋肉が弱くなってしまったからです。
もうひとつの原因に、コーヒーやアルコール、炭酸飲料や酸味の強いものなどといった刺激物の摂取が増えているという背景もあります。特に最近では美容・健康のためによかれと思って水や果物をたっぷり摂取する女性が多いのですが、皮肉なことにこれも間接的な尿漏れの原因となっているのです。
尿漏れはストレスとも関わりがあるので、特に季節の変わり目など、体が弱りやすいときにはこれらの刺激物を避け、なるべくリラックスして規則正しい生活を心がけることが予防や症状改善につながります。
尿漏れを放置しても命に別状はありませんが、生活に支障が出ることは確かです。外出がおっくうになったり、趣味のスポーツが楽しめなかったりと、尿漏れのせいで辛い思いをするようなら、泌尿器科へ相談してみてください。病院では、症状に合わせた飲み薬を処方し、症状がひどいようなら手術をすることで尿漏れを改善していきます。
また、病院では骨盤底トレーニングの指導も行います。これは、おなかとおしりの力を抜きながら、肛門と膣にギュッと力を入れて筋肉を上に持ち上げ、5秒維持してから緩めるというもの。1日10回行えば尿漏れ予防に、30回行えば尿漏れ改善に有効です。
もし尿漏れに悩んでいるなら、恥ずかしいと思い詰めずに、気軽に医師に相談してみてはいかがでしょうか。
※情報は、2010年5月のものです
